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最高裁判所第二小法廷 昭和32年(オ)1022号 判決 1958年10月24日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人木村盤根の上告理由第一点について。

手形所持人は、たとえ手形が裏書の連続を欠くため形式的資格を有しなくても、実質的権利を証明するときは手形上の権利を行使することができることは当裁判所の判例(昭和二九年(オ)八六号、同三一年二月七日第三小法廷判決)とするところであつて、かりに、所論のごとく本件手形の外観上、裏書の連続を欠くところありとしても、被上告人が実質上本件手形の権利者であることは、原判決の確定するところによつて明らかであるから、上告人は、裏書の連続を欠くことを理由として本件手形債務の履行を拒否することはできないものである。論旨は理由がない。

同第二、三点について。

本件手形については、被上告人が権利を行使し得ることは前説明のとおりであり、被上告人が権利者でないことを前提とする所論は採用し難い。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一)

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